今回はイミグレ査察対策の後編です。
前編ではイミグレ査察の理不尽さ、ビザをちゃんと取る必要性についてご紹介しました。
今回は僕のオフィスに査察に来た時の実際の流れと働く人たちがどうやって乗り切るのかについてご紹介します。
査察の流れ 〜イミグレは突然に〜
先日僕の会社にイミグレの査察がきましたので、その時の流れを模範例(?)として、ご紹介します。
➤突撃となりのイミグレ査察
「こんにちはイミグレです。」 11月某日、うちのオフィスで作業をしていたところ、突然イミグレが来ました。
はじめての経験なので「うおーいきなりの査察って本当にあるんだー!」と1人で興奮していたところ、スタッフがすぐに外に出て応対。すぐに入れないあたり、うちのスタッフはできる子です。笑
その間にも査察官はオフィスのガラス部分からカメラで写真を隠し撮りして、証拠集めをしている様子。
疑うのが仕事なので仕方ありませんがなんか気分悪いなあ…。
➤証拠集め
そうこうしているとスタッフから「加藤さん、イミグレが中に入ると言っていますがいいですか?」とのこと。 悪いことはしてないので、言われた通りに中に通したところ、2人組が入ってきました。
そしてすぐさまオフィス内の写真をガンガン撮りまくる。僕のパソコン画面も写真を撮って「話が終わるまではパソコンは触らないでください」とのこと。完全に疑ってやがるなこいつ!!!
そのままの流れで「書類全部だして」とのこと。書類は勤務形態によって必要なものが変わるので後述します。
とりあえず必要な書類が揃っていたことに一安心。 しかしそれを見せて終了ではありません。
➤尋問
そうこうすると僕への尋問(?)がスタート。 質問だけで30分以上かかりました…長いわ。
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【僕が質問されたこと一覧】
・君のポジションは何だ?
・どんな仕事してるんだ?
・ここは何をする会社だ?
・君の席はどこだ?
・他にも外国人はいるのか?何人だ?
・インドネシア人スタッフは何人いる?
・いつからインドネシアにいるんだ?
・インドネシア語はいつどこで学んだんだ?
・どこに住んでいるんだ?
・このオフィスは前はどこにあったんだ?
・いつまでインドネシアにいるんだ?
・パスポートはいつも携帯しているか?
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ちなみに僕、たまーにパスポートの原本を違うカバンに入れっぱなしにして忘れる時とかあったので、偶然持っていたことに内心ホッとしたのはナイショです。笑
その後同じような質問をうちの事務のスタッフにもしていて、僕の話した内容にウソが混じってないかを確認してました。
ちなみにこれは僕の場合であって、全員が全く同じじゃないと思うので。
➤調書にサイン
隣にいるもう一人のイミグレの人は書記係で常にメモしてて、たまに僕の尋問風景を写真に撮っていきます。ちゃんと質問してますよって証拠を残すためでしょう。
その後メモから調書的なものを作って渡してきました。
「内容に問題がないかチェックして。問題なかったら下にサインね。」 と言われたので読もうとしたところ、
字が汚すぎて読めないじゃねーか!
結局うちのスタッフに読んでもらいました。笑
しかも調書の内容にミスが発覚!僕はビザより前から働いたことにされるところでした!あぶねー!笑
間違いを訂正してもらった後にサインしたら、査察を完了の証明書(といってもコピー用紙)を渡してきて、「もしまた査察きたらこの紙見せてねー。」と言われました。
そして最後に、「パスポートの原本は常に携帯するようにね!」と忠告して帰って行きました。 ちなみに査察終了の証明書を読み返してみたところ、書いてあった内容には担当した人のポジションも書いてあり、その中には心理学者的な人もいました。怪しい素振りを見せたやつには徹底的に尋問するというためでしょうか…。
以上が僕の初イミグレ査察の模様でした。特にお咎めもなく(悪いことしてないので当たり前ですが)帰って行ったので対応に問題がなかったということでしょう。
運が悪いとこうなります
このように、いきなりイミグレが来ても対応が上手な人なんてまずいません。しかしそこでは事前に準備しているか否かが大きな分かれ道になります。
運が悪いパターンであれば、このようになります。
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【運の悪いお客さんの場合】
僕のお客さんの企業でも以前イミグレの査察が入ったそうで、ご自身はちゃんと就労ビザを持っていましたし、たまたま来ていた出張者もちゃんとビジネスビザを取っていて、当日も持っていたそう。
にもかかわらずお客さんも出張者もパスポートを取り上げられたそうです。
おかげで別日にわざわざ取りに行かなければならないという事態に…。
面倒は増えるわ仕事の時間は減るわで踏んだり蹴ったりだったそうです。
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僕は詳細を知らないのであくまで憶測ですが、きっと保管書類などがその場では提出できず、後で出さなければいけなかったのではないかと思います。
その場合その人が国外に逃げられないよう、パスポートを取り上げることも可能性として出てきますから。
ちゃんと手続きを踏んだにもかかわらずこのようなことにならないためにも、必要書類はそろっているかどうかをあらかじめチェックし、質問項目は最低限確認しておくといいでしょう。
準備するもの
想定は自分のオフィスでイミグレが来たというシチュエーションです。むしろそれ以外でイミグレに会うことなんか滅多にありません。
(たまにゴルフ場にまで来たなんて話も聞きますが、僕はゴルフはやっておらず、ここで言及できるほど情報を持っていませんので割愛します。)
ご自身がどのような用事でインドネシアにいるのかで必要な書類も変わってきますので、まずは自分がどのタイプでオフィスにいるのかチェックしてください。
※ここに書いてあるのは一般的な場合は当てはまりますが、インドネシアでは担当査察官によって変わることがあります。この通りにしてトラブルが起こった場合に責任は負えんのでいきなりクレームとかやめて。責任負えるのはうちでビザ取った人だけなんで。笑
➤インドネシアで就労している方
該当内容:駐在員or現地採用として働く方。工場で作業をする、営業をする、技術指導をする方
取得ビザの種類:C312(いわゆる労働ビザ、就労ビザと呼ばれるもの)
準備しておくもの:
・KITAS
・IMTA
・RPTKA
・パスポート原本
・名刺
➤インドネシアに長期で出張する方
該当内容:長期(31日以上)にわたり会社訪問、商談、会議出席等が目的の方。ただし就労行為(インドネシア側の会社に利益をもたらす行為)は禁止。また添乗員の方、政府の用務等を目的とする方。
※この場合、インドネシア側の会社にて自分の席を設けられることも認められていません。
取得ビザの種類:B211もしくはB212
用意するもの:
・パスポート原本
・ビジネスビザ(ビジネスビザはパスポート原本に貼られるため実質パスポートのみ)
➤インドネシアに短期出張している方
該当する人:30日以内で会社訪問、商談、会議出席等が目的の方。ただし就労行為(インドネシア側の会社に利益をもたらす行為)は禁止。また添乗員の方、政府の用務等を目的とする方。
※この場合、インドネシア側の会社にて自分の席を設けられることも認められていません。
取得ビザの種類:VOA(Visa On Arrival)もしくはB211、B212のビザ
用意するもの:
・パスポート原本
・Visa On Arrival(もしくはB211、B212のビザ。こちらはパスポート原本に貼られるため実質パスポートのみ)
受け答えの準備
➤ウソは言わない
これが一番重要。本人だけではなく、その周囲のスタッフや受付等にも確認する場合があるため、変なウソはつかないこと。
つじつまが合わないと要注意だと思われるので根掘り葉掘り聞かれることもあります。
下手すると勘違いされて捕まるのでウソはやめましょう。ちなみに先程心理学者がいると書きましたが、ウソをついているかをチェックしている可能性があるのでウソは多分バレますよ。笑
➤登録内容とズレがないように
登録内容は主にRPTKAやKITASに準じます。
RPTKAとはインドネシアにおける雇用計画書です。外国人を何人雇っているか。期間はいつまでか。ポジションは何なのか。業務内容は何なのか。こういったものが記載されているので、申告とズレていると違法扱いになり、言いがかりをつけられれば逃れられません。
また、KITASとは在住許可証なので、住んでいる場所がKITASの記載と違うとそれも処罰対象になったりします。
あと結構忘れがちなのが名刺です。たまにRPTKA上ではManagerですが、名刺にはPresident Directorなどと書いている方がいます。この場合もアウトです。
名刺とRPTKAが一致するように正しく記載しましょう。
もし問題を見つけてしまったら
最後に、もし書類をそろえていて万が一問題を見つけてしまったらどうするか。
ラッキーです。早期発見できてよかったですね。笑
その場合は僕でもいいですし、すでにお付き合いのあるビザエージェントがあればそちらにすぐに相談して下さい。
「〇〇の書類持ってないんだけど、もしイミグレ来たときうちの会社は大丈夫ですか?」
「〇〇の書類と名刺違うんだけど大丈夫ですか?」
「私のビザ〇〇なんですけどこの業務ってやっていいんですか?」
問題は早く解決しましょう。でないと前編みたいになっちゃったり、先程上に書いた運の悪いパターンになったりします。
分かってて正しいビザを取らないのは自己責任(自社責任?)なので知ーらないっと。笑
いかがでしたでしょうか。
自分の安全はちゃんと守って、安心して働ける環境を整えてくださいね!
そうすればイミグレも怖くない!堂々と対応しましょう!
みなさんのインドネシアライフが平穏であることを祈っています。
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