外国人労働者の受け入れ拡大を図る出入国管理法(入管法)が改正され、4月1日から施行されました。
法務省から新設された出入国在留管理庁(入官庁)は新しい在留資格である「特定技能」の制度を開始し、対象業種は介護や外食といったサービス分野だけでなく建設など14種で幅広い分野が対象となります。5年間で最大30万人以上を受け入れる方針だそうです。
介護業界への転職者支援はIJTでも行っており、ほかの業種に比べ顕著に人手不足を実感できます。企業様への求人の連絡をしても完全に売り手市場で、とにかく人員が足りないという状況が続いています。
また、介護業界への転職を希望する求職者も少ないです。
経験者も現場に疲れ、離職後は別の業界への転職を希望される方が大半で、ここに関しては個人の力では如何ともしがたい印象を受けます。
そんな企業側、転職志望者、双方の要望がかみ合わない深刻な人手不足の状況に対応するため、専門性や技能を有する即戦力となる外国人を受け入れる制度が新設されたという状況です。
もっとも正直な話、専門性・即戦力という点ではかなり疑問が残ります。
既存の技能実習制度では5年までで帰国を余儀なくされましたたが、その後「特定技能」の在留資格を取得すればさらに5年間、合計で最長10年間在留することも可能(技能実習3号まで修了し特定技能1号に移行した場合)です。
3年以上の経験を持つ技能実習生(技能実習2号を良好に修了した者)は「特定技能」1号資格に無試験で移行できます。
外国人技能実習生の低賃金・長時間労働による過酷な労働環境、実習生らの相次ぐ失踪……報道からも垣間見えるように彼らをとりまく状況が厳しいのは事実です。
法務省は2018年の失踪実習生数が過去最多の9052人になったと発表しました。受け入れる日本側も戸惑い、模索を続けています。
しかし、この施策がうまくいけば、夢を抱いて日本で働く方や、サービスを必要としている利用者、色々な方面からWIN-WINな関係が構築できます。
そのため、所管する行政機関と受け入れ先企業などが一体となり、社会全体で外国人就労の問題点を是正し、いい環境を整えていくことが望まれていますね。
直近では、島根県内の介護分野で外国人技能実習生第1号となるインドネシア人女性2人が、浜田市旭町本郷の特別養護老人ホームで実習に入ったと聞いています。
人手不足が課題の介護現場で戦力となることが期待されており、展望の持てる試みなのではないでしょうか。
2人のインドネシア人女性は、現地の大学で日本語学科を卒業した方で、2018年5月からインドネシアにある日本語学校で日本語を学び、日常会話に支障のない程度まで上達。19年3月に来日し、留学生用の日本語学校で講習を受けるなど準備を進めてきました。
着任式では、同施設理事長が「中山間地域は高齢化と人口減が進んでおり、人手不足が深刻。貴重な戦力となってほしい」と期待を込め話していて、二人を前向きに迎えている気持ちがみてとれました。
2人は3年間実習する予定。実習期間を延長する試験に合格したり、法改正に伴って新設された在留資格「特定技能」を取得したりすると、最長10年間働くことができます。
こういったニュースを見ると、必ずしも暗い話ばかりではないと考えさせられます。
本日は以上となります。
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