インドネシア的な「値切り」の例

インドネシアを含めて東南アジアでは買い物とか何かにつけて『値切る』というイメージを持ってる方も多いと思います。

市場にいるおばちゃんとか際限なく値切るのであながち間違っちゃいないんですが、どういう考えがあっての交渉なのかを書いてみようかと思います。


ある帰り道のタクシーにて


運ちゃん(以下、運)と僕(以下、加)のタクシーでのやり取りです。

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運「渋滞ヤバイね」


加「ヤバイね〜。でもメーターどんどん上がって嬉しいでしょ。笑」


運「いやいや、渋滞は辛いから走りたいよ。笑
    ところでいつもはこの道だと値段いくらくらいかわかる?」

加「んー4万ルピア(日本円で400円弱)くらいじゃない?」


運「しゃあ5万でどうだ?」

加「え?どういうこと?」

運「先に5万で約束しよう。そしたら俺はメーターを消すから。渋滞でどんだけ時間かかってもこれなら安心大丈夫でしょ。」

加「まあね〜でも高いじゃん…(実はGO-CARで値段調べ済み。7万ルピアくらい)」


運「あと俺が道間違えても値段は変わらない!」


加「よし乗った!」


運「オッケー!じゃあ目的地近くまで寝てっても問題ないぜ!(白い歯キラーン)」


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とまあこんな感じ。

お互いの気持ちが合えば大概の場面で交渉できるのがインドネシアの良いところでもあり、難しいところでもありますね。

こういうのが嫌な人はインドネシアでの生活には向かないかもしれませんね。



日本とインドネシアを比較してみる

日本でも家電量販店などで大型家電を買ったりするときに値段交渉をします。でもインドネシアとなーんか違う。じゃあ何が違うんでしょうか?がっつり偏見もはいっていますが、こんな感じです。


➤日本の場合

  • 値段はギリギリまで下げて書く
  • 主導権は買い手(下げる前提でいくらまで下がるか勝負)
  • 値段を下げてもらった分買い手も譲歩する、ということはない
  • 値段を下げても約束(品質、量、期限、等)はきっちり守ってね


➤インドネシアの場合

  • 値段は値切られる前提で少し高く書く
  • 主導権は売り手(相手を見て下げない場合もありえる)
  • 値段を下げてもらった分買い手も何かメリットを提示する(売り手側から条件を付けてくる場合もあり)
  • 値段を下げてもらってるし、約束(品質、量、期限、等)が少し条件悪くなるのは仕方ないかな


念のため言っておくとどっちが良い悪いではありません。こういう前提で動いていることが多い文化ということです。

ただこの感覚はわかっておかないとインドネシアではイライラしか生まれないと思います。


僕の主観ですが、日本は一方的に買い手が強くて売り手は弱いことが多い。「買ってやるんだから…」みたいな。あの感じがどうも好きになれません。


初対面の売り手と買い手はあくまで同じ立場だし、お互いに値踏みしている状態。
買い手が値切るなら、売り手にも何かメリットがあって然りだし、もしないんだとしたら値切る理由がないから断ってもいい。これができるインドネシアの交渉ってある意味健全な状態な気がします。


お互い人間ゆえに、自分が徹底的に勝とうと思うと相手は損した気分になってムッとします。

しかも自分が徹底的に勝てなかったら、それはそれで損した気分になります。「あ~あの時もっと値切れたな~。損したな~。」ってなる。十分得してるんですけどね。笑

僕にもメリットはあるんだし、たまに負けてあげたらそれで喜ぶ人もいますし、お金が循環しているというイメージを忘れないことが精神衛生上の健康のコツかもしれません。

インドネシアちゃんねる

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