インドネシアで1年生活したらまともな社会人になった

こんにちは加藤です。
2015年3月にインドネシアに渡り、インドネシアの生活が1年経ちました。
(※この記事は2016年3月にWWJにて加藤が掲載したものを再度編集の上転載しています。)

今回はインドネシアに1年住んで見えてきたものをご紹介します。




半年あればどこの国でも生活できると知った

僕はインドネシアに渡る際、僕はインドネシア語を一言も喋れませんでした。事前の勉強をしていかなかったからです。

そのため、最初は移動もできない、道も聞けない、物も買えないという散々な状態でした。そんな中、ローカルな生活をし、学校に通わず、英語もろくに喋れないからインドネシア語を勉強したら半年経つころには生活レベルの言葉は余裕になりました。


もちろんインドネシア語が入口として簡単な言語であることは間違いありません。しかしそれ以上に大事なのは、実際に動いたことと『やる気になればどこの国でも住める』という根拠のない自信があったことでしょう。

『もし次どこかの国に会社を作るとなればまた勉強すればいいんだな。半年も居れば大丈夫だろう。』そう思えることは何か新しいことをするにあたってのハードルを一気に下げることができました。



体調に気を遣うようになった

日本にいた頃は明け方まで仕事をしたり、飯もラーメンで済ませたりと自分の体を気遣うことは皆無でした。
しかし海外に出ると、助けてくれる家族はおらず、病院も異様に高く、薬も怪しい、さらに体調を崩せば自分の仕事がストップし、会社がガタつき、自分の稼ぎに支障が出る、そんな状態です。


そのため、睡眠時間に気を使ったり、野菜を積極的に食べるようする、危ないと思った食事は口にしない(新しいものと変えてもらう等)ようになりました。

結局のところ、体を壊すと時間もお金も高くつき、誰も得をしません。しかも日本にいるサラリーマンであれば、国や会社がいろんなものを負担してくれたり、助けてくれますが、そこを離れて独立してしまった今、保証は何一つありません。全部自分に返ってきます。

体調管理の大事さをインドネシアに来て心底感じさせられています。



日本の良いところ、悪いところが見えた

一つ前の体調管理でも言いましたが、日本は非常に守られている社会だと思います。平たく言えば、国民に対して優しい。その反面、国民は守られ過ぎていてそこに甘んじてしまい、結果そこに留まってしまう危険性を非常に感じます。


インドネシアには様々なサービスに対し、対価を求められます。しかし、そのサービスを享受しなければお金のない人でも生きていけます。自分で質の低いものを選択できるというイメージです。

生活の質を10段階評価で考えたとして、日本の生活水準が全ての項目で7以上だとすると、インドネシアは8の生活もあるし、5以上も可能だけど、3以上でもなんとかやっていける。さらに下の1の生活を選ぶこともできる。

日本は良くも悪くも7以下がないイメージです。なので7の水準を保つために、本来5の生活をしたい人、3の生活も一部取り入れたい人達が苦しい思いをすることになっている気がします。


今までは自分の中で日本がスタンダードであり、他の国は他人事でしかなかったのですが、政治や宗教、会社での働き方、家族の形など様々な違いをみることができ、毎回考えさせられます。
違う水準の軸を見て比べることができるようになった状態でしょうか。
そういった意味では海外で働き、自分の国を外から見つめ直すいい機会になったと思います。
→加藤が思う「良いチームの作り方シリーズ(第1回)」はコチラ
 


チャンスを掴むことができる

わかっているとは思いますが、インドネシアに来れば成功できるとかそういう意味ではありません。うちも存続はしてますけどめちゃくちゃ大成功とはまだまだ言えませんし。野望もあります。

ここで言いたいのはチャンスを見つけたときに手を延ばせるかどうかの話です。


インドネシアは都会になったと言われますが、まだまだ様々なものがありません、日本では当たり前のことも当たり前ではありません。それゆえにチャンスは多いと感じます。

少し前にタイムマシン経営がもてはやされましたが、まだまだそれが可能な国でもあります。

まずは富裕層に向けて、それがある程度浸透したらそれを庶民に向けて行けばある程度の利益が出る状態はつくれる部分はいっぱいあります。あとはやる気があるかだけです。情報は少ないけどとりあえず動いてみる。


そういったことは日本にいただけでは絶対にわからないでしょう。実際に触れてみて、足りないことに気づき、それを導入しようとしている競合がいなければまずはやってみればいいんです。

頭でっかちでそれが実践できない人が多いこともチャンスはまだまだ転がっている一つの要因ですね。


何でも揃う今の日本でチャンスを見つけることは非常に難しいです。情報のサイクルも流行の波もすぐに移り変わってしまいます。そのためまずはその見つけたチャンスをラッキーだと思い、どう活かすかが重要だと考えるようになりました。
今は人材紹介の事業にフォーカスしていますが、ある程度落ち着いたら次のことに移っていくつもりです。

 

信用が重要なことを知った

これはビジネスの話でもそうですし、ちょっとした生活の話でもそうです。

ビジネスにおいては、こっちが再三「こういう手続きは終わった?大丈夫?」と聞いても「Ngak apa apa.(大丈夫、心配ないの意)」と何度も言われ、結果手続きができていなかったことが多々ありました。

しかも彼らは絶対に非を認めず、「このケースは想定していなかった。」「あの話の中に出てこなかったから仕方ない」と言うのです。

まあ非を認めてしまえば費用を払ってもらえなかったりするので意地でも非は認めないんでしょうが。笑

そもそも僕ら色々騙されて疑心暗鬼になってましたしね。笑

加藤がビザエージェントに騙された話はコチラ


また私生活では、道を聞いても全然違う方向を教えられたり、「このまままっすぐ行って、信号を右だよ」と言われ、ま~~~っすぐ行った結果、信号すら見つからない・・・といったことも。笑


インドネシア人は優しくていい人が多い反面、適当なことを言う人が多いのも事実です。日本ではその人の発言に責任を求められることが多いですが、インドネシアではその言葉に過剰に信頼を寄せるのは良くないことだと感じるようになりました。

一意見として受け止めるようになってからはそこまでショックを受けることがなくなったように感じます。まあイラッとはしますけどね。笑


そのため言ったことを形にしてくれる人への信頼は絶大です。

僕は買い物をするならもちろん安いものを買いたいと思いますが、そもそも信頼がない人はその買う買わないの交渉テーブルにすら乗せたくないですからね。笑

日本人は約束したら守る人が多い。だからまず交渉のテーブルに乗れることが高いです。日本人や日本の商品が求められる理由の一つですね。
逆に信用できるかわからない人は交渉以前に門前払いが当たり前になるので、信頼の重要性を感じます。



情報に敏感になった

日本でも一応ニュースとかはチェックするのですが、情報量が増えました。
日本の情勢だけでなく、インドネシアの情勢、日本とインドネシアの関係、各国との国交、
面白い事、読みたい本…等々、情報収集欲が増えた気がします。

日本にいるときよりも日本の情報が減ったことが理由かもしれません。有ったものがなくなると禁断症状的に欲しくなるアレです。笑


最近はキュレーションメディアが世界各国で発達してきていますし、各国には各国の情勢を書いた新聞があるかと思います。情報は探せばいくらでもあると思うので、そちらもしっかりとチェックしておかなければいけませんね。


以前ジャワ島(ジャカルタのある島)中部に行ったのですが、舗装すらされていない道の両側に家があるだけのド田舎村がありました。

そこの人たちは学校はろくにいってないし、仕事もないけれど、農業などで生計をたてていました。しかし驚くことにみんなスマートフォンを持っているんです。中国の廉価スマホの普及率恐るべしです!


すでにこれが当たり前になってきているので、この後スマートフォンネイティブ世代が出て来たら、勉強に飢えている人たちは超一流の論文や世界最先端の知識をド田舎村で手に入れられるんです。
僕らはその人たちと戦わなければいけない時代にいることを本気で考えなければいけませんね。


おかげで今は本を読みたい欲に駆られています。誰か僕に本を下さい。笑



・・・とまあ取り留めのない話になってしましましたが、
書き出してみると、これって意外と普通の社会人なんじゃないの?って思った次第です。
今までそれすらもできていなかったということですが、27歳にしてやっと人並みになれたってことなんでしょう。きっと。笑



インドネシアに来て、良くなかったとか失敗したと思うことは一つもありません。

「自分は何を達成するために今の現状にいるのか?」なんてことは当たり前のように大学を出て、当たり前のように就活をし、当たり前のように言われた仕事をしていたら、考えなかったでしょう。日本ではそこまでしなくてもそれなりに生きていけますからね。

しかしあのままではこんな楽しいことには出会えなかったですし、日本の良さを知ることもなかったと思います。海外の脅威にさらされることもなかったでしょう。


それができる今は幸せであり、それゆえにこの1年は非常に有意義なものでした。そういったもの全てひっくるめて、僕はインドネシアに来てよかったと思っています。

まだインドネシアに来たことのない方はインドネシアで一皮むけた人間を目指しましょう!


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Sampai jumpa! サンパイジュンパ!(ではまた!)




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